コンテンダーから強い選手は出ましたか?
結論:出ました(一定レベル以上の選手を出場させたことがある)
NBCが2005年3月にスタートさせたスポーツ・リアリティ・ショー。シルベスター・スタローン、マーク・バーネット(CBSの「サバイバー」を制作)、シュガー・レイ・レナードが制作総指揮にあたる。
やっつけ仕事の後乗り「The Next Great Champ(FOX)」とは異なり、一定レベル以上の選手を抜擢し、カリフォルニア州アスレチックコミッションとも連携して選手の負担に配慮したスケジュールを組み、リアリティ・ショーとはいっても、一応プロスポーツの範疇を逸脱しない枠組みを設定した。
FOXの大失敗を目の当たりにしたNBCは、2005年1月に放送開始を遅らせて冷却期間を置いたが、延期を繰り返して結局3月の開始となっている。延期の間に出場を予定していた選手が自殺する騒動が勃発。番組とは直接関係のない、娘の養育権を巡る元妻とのトラブルが理由だったのだが、思わぬパブリシティ効果を生んだ。
NBCはある程度の手応えを掴んでいたようだが、ボクシングを勝ち抜きリアリティ・ショーにする基本的なコンセプトが視聴者に受け入れられず、視聴者数は期待値を大幅に下回る。ドラマ仕立ての過剰な演出(スタローンとバーネットのアイディア)も、逆効果にしかならなかったとされる。
「The Next Great Champ」も「The Contender」も、試合そのものは真剣勝負であり、レフェリー&ジャッジもコミッション認可のプロがちゃんと裁く。しかし同じ真剣勝負なら、現役世界チャンピオンや世界ランカー(正真正銘のコンテンダー)たちによる。よりレベルの高い潰し合いがファンの熱い支持を得るのが当然で、そのレベル差は、ドラマ性や演出で埋め切れるものでないことは、誰もがわかっていることだった。
NBC本体は「The Contender」の放送を2005年で打ち切り、2006年~2008年までESPNで放送されている。
シリーズ第1回(2005年3月~10月)には、セルジオ・モラ(元WBC S・ウェルター級王者)、アルフォンソ・ゴメス(ミゲル・コットに挑戦)、ジェシー・ブリンクリー(ルシアン・ビュテに挑戦)、ピーター・マンフレッド・Jr.(ジョー・カルザゲ、チャベス・Jr.に挑戦)らが出場。
ブリンクリーとゴメスは、2007年の「The Contender Challenge: UK vs. USA」にも出場。英国代表チーム?には、アンソニー・スモール(前英国J・ミドル級王者)、大ベテランのロビン・リード(元WBC S・ミドル級王者)らが出場。アメリカチームには、現IBF J・ミドル級王者コーネリアス・バンドレイジも参加。
バンドレイジのように10年以上も下積み生活が続き、まったくチャンスに恵まれなかった選手にとっては、名前を売るための絶好の機会になったことは事実。
英国にも、Sky Sportsが制作中継する「The Prizefighter」という同種の番組がある。2008年4月にヘビー級でスタートし、階級別に20回を超えるシリーズが放送された(中~重量級が中心・これまでで最も軽い階級はフェザー)。こちらは3分×3ラウンドのワンナイト・トーナメント方式。
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